心と身体をコントロールするホルモンをもっと身近に!知っておきたいこととは

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ホルモン、と聞いて思い浮かべるのは焼肉店で食べるあのホルモン、という人も多いはず。ジュウジュウと鉄板で焼かれるハツやミノ…。
ですが今回取り上げたいのは、身体の中で作り出すことができる分泌物のこと。
生きるために必要不可欠な、私たちの体から生み出す原動力でもあるホルモンについて、あなたはどれくらい知っていますか。
今回はその種類はもちろん、それらが日常でどのように働いているのかを調べてみます。
 

気持ちや身体の原動力はホルモン

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ホルモンはたったスプーン一杯程度の少量でも、その量からは想像ができないほどの効果を発揮すると言います。そんなホルモンはまた種類も豊富!
ホルモンの働きは主に体の器官に指令を出すこと。
「体温を上げなさい」「汗をかきなさい」といった細かな指令を、100種類以上のホルモンが出すことで私たちの生命活動は保たれているのです。
ホルモンがうまく機能すれば、体は本来持っている能力が引き出されるというから、ホルモンについて知っているのと知らないのでは日々の生き方に大きな違いが出てくると思いませんか。
私たちの体や生命活動を司るホルモンのこと、少し掘り下げてみたいと思います。
 

どこから分泌されるの?

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ホルモンは私たちの体のいたるところで作られる物質です。
では一体、どこでどんなホルモンが分泌されているのか気になりますよね。
体の部位ごとに、比較的よく知られたホルモンをまとめました。
 
【脳】
ドーパミン
ノルアドレナリン
セロトニン
メラトニン

  • 【下垂体】

成長ホルモン(前葉)
オキシトシン(後葉)
【副腎】
アドレナリン
コルチゾール
【腸】
セロトニン
【卵巣】
プロゲステロン
エストロゲン
テストステロン
 

知っておきたいホルモンの種類

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ホルモンといっても、聞いたことがあるものから今まで知らなかったものまでさまざまな種類があると思います。
名前くらいは知っていても、体のなかでどのように作用してくれているのかは知らないという場合も。ここでは代表的なものをご紹介します。
 

ドーパミン

別名「幸せホルモン」「快楽ホルモン」とも呼ばれるドーパミンは、よく知られたホルモンのひとつ。
努力して目的を達成したり、喜びや楽しさを感じると分泌されるため、そう呼ばれています。
何かを達成したり幸せを感じるとドーパミンは増えて、快感を覚えてポジティブな気持ちになるのです。
ただ一方で過剰に増えると、その快楽に依存してしまうという側面があります。
またドーパミンが不足するとやる気がなくなり、物覚えが悪くなりイライラすることも。
ドーパミンは多過ぎても少なくても気持ちにムラが生まれてしまうのですね。
 
落ち込んだりやる気がでないときは、楽しみにしている予定を思い浮かべたり、好きなカフェに出かけたりするだけでドーパミンが放出!
そのように、気持ちを上向きにしてくれる重要な役割があるのです。
 
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アドレナリン

興奮したり緊張が高まると、体の機能を一時的に高めて体を戦いに備えるホルモンです。
例えば血糖値の向上、心臓の鼓動が速まり、瞳孔が開くなどがあります。
 
スポーツをしているときなど全身を使って動いているときに「アドレナリンが出ている!」と表現することがありますが、まさにそういう状態において体の機能を向上させる指令を出しているのですね。
このホルモンが「火事場のバカ力」を生み出すのに役立つと言われているのも納得です。
 
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成長ホルモン

脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモン。
子供から大人の体になる際に骨や筋肉、各組織を成長させるのに必要なものかと思いきや、実は大人になってからでも私たちと成長ホルモンとは切っても切り離せない関係なのです。
例えば髪や肌の生まれ変わりをサポートしたり、新陳代謝を促すという役割も。
主に寝ているあいだ、特に入眠直後の「深いノンレム睡眠」の段階のときに多く分泌されます。
そのため成長ホルモンを多く分泌するためには、規則正しい睡眠習慣とぐっすりと眠る環境が大切になるのです。
 
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コルチゾール

副腎皮質から分泌されるホルモンの一種で、基礎代謝を促します。血糖値や血液の調節、また胃酸を分泌するなどの役割も。
それらの役割はストレスから身を守るためなので、「ストレスホルモン」とも呼ばれます。
ただ、過剰な分泌は自律神経などに悪影響を及ぼすのだそうです。
 
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女性ホルモンと腸内環境の関係

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女性は特に知っておきたい、ホルモンと腸内環境のこと。
一般的に言う「女性らしさ」を司るのは2種類。
女性らしい体型作りを作り、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるエストロゲン(卵胞ホルモン)と、妊娠を助け、基礎体温を上げる働きもあるプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
 

卵巣で分泌されるのになぜ腸内環境?

これらは卵巣で分泌されているのに、腸内環境ってどういうこと?と思いますよね。
ですが生理前に便秘や下痢になりやすいなど、思い当たる症状がある人もいるのでは。
例えばプロゲステロンの分泌量が増えてバランスが崩れると、水分不足から便が固くなったり、腸のぜん動運動が鈍くなり便秘になったりするのです。
またエストロゲンは腸内で作られるセロトニンを刺激する働きがあるそうで、エストロゲンが分泌される卵胞期はセロトニンが活性し、排卵後の黄体期にはセロトニンが不活性に陥ります。
いわゆるPMSなど、生理前に女性の気分や体調にムラがあるのも、これで納得がいきますね。
腸内環境を整えることがホルモンバランスを整えることにも繋がるというのも、嬉しい発見です。

※腸内で作られる「幸せホルモン」、ドーパミンやセロトニンについては下記を参照くださいね!
「腸内環境を整えて内側からスッキリ。健やかな人が習慣にしている「腸活」が今気になる?!」

 

ホルモンバランスを整える

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現代社会、特にこの数年のコロナ禍という制限の多い日々を生きる私たちは、ホルモンバランスの乱れが起きやすい環境にあると言えます。
それはもちろん、女性ホルモンだけではありません。
身体に指令を出している100種類以上のホルモンのバランスを保ち続けるのは、とても難題のようにすら思えますよね。
ですが大切なことはいつも変わりません。
 
ホルモンバランスを整える生活習慣 (1)
 
これらを習慣的に行うこと、そしてその積み重ねこそが、ホルモンバランスを整えることに繋がるのではないでしょうか。
今のような時代だからこそ、気持ちや身体をコントロールするホルモンとうまく付き合って、ご機嫌で過ごしたいものですね!
 
参考文献:
「日本内分泌学会」公式HPより
「kiitos」しあわせを呼ぶホルモン特集

「腸で酵素をつくる習慣」高畑宗明著、など
文・構成:mia

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