【四条大宮】動物と健康のためにヴィーガンの選択肢を。「素食カフェ Ren」から広める台湾精進料理 vol.2

素食カフェren

サステイナブルな取り組みや、ローカルビジネスを意識したカフェやレストラン、ショップなどを紹介していきます。

前回に引き続き、本店の和歌山と京都に3店舗を構える「素食カフェ Ren」、四条大宮店の店長である木本ゆかりさんにお話を伺いました。

メニューの要は「薬膳スープ」

素食renの薬膳スープ

「素食カフェRen」の料理について「薬膳スープ」なしには語れません。

季節の身体に合ったブレンドに

クコの実やなつめ、陳皮など15種類以上の漢方を2時間以上ぐつぐつと煮込んで作られます。
夏と冬で漢方の比率を変えて、そのときどきの体調をサポートするブレンドにしているそうです。

この食養生のスープは看板メニューの「薬膳鍋」だけではなく、子供から男性まで幅広い層に人気のカレーやラーメンのベースにもなっている「素食カフェRen」のメニューの要。

体を温めて自律神経を整える

同店の「薬膳鍋」は老廃物などのデトックスや疲労、むくみ、冷え、便秘などの改善が期待されるとのこと。

実際に不眠症に悩んでいたお客さんが、「このスープを飲むとぐっすり眠れる」と定期的に通われているというから説得力がありますよね。

木本さんも、「体を温め自律神経を整える、このスープはぜひ全部飲んで欲しい」とのこと。

使用されている漢方は店内にずらりと陳列されている

 

漢方エッセンスが詰まった「薬膳鍋」

漢方エッセンスが詰まった「薬膳鍋」

迷ったらまず試したいのが、「15種類以上の漢方をブレンドしたRen特製薬膳鍋」。

先ほどの薬膳スープと野菜をたっぷりいただけるおすすめのメニューです。
野菜は季節の野菜がたっぷり!少しずつ色々な野菜が試せるので、食べ飽きることもありません。
スープは味噌味、カレー味、ピリ辛味、豆乳の4種類から選べ、見るからに健康に良さそうな色合いのご飯は雑穀と黒米入り玄米ご飯、そして本日のおかずから3品が付いてきます。

彩りも食感もさまざまな野菜たち

左から紅大根の玄米麹漬け、かぼちゃの豆乳グラタン、ソイスマートのチンジャオロース

取材時にはピリ辛のスープを注文。それでなくても身体を温めてくれるスープな上、ピリ辛効果でじんわり汗が浮き出してきます。あっさりとしつつも奥深さのある漢方の風味と、ピリ辛さがクセになりスプーンを運ぶ手が止まりません。

おかずひとつ取っても使っている具材の豊富さ、丁寧に調理されているのがわかります。

個人的にはもちっとした噛み応えと、噛むほどに味わいが増すご飯も気に入りました。

レシピの考案と素材へのこだわり

看板メニューである薬膳鍋以外にも、「素食カフェ Ren」には試したくなるメニューが目白押しです。

料理の特徴は「ボリュームはたっぷりめで」とのこと。
というのも、「ヴィーガンのお店は量が少ない傾向があって、『食べ直し』に行くという男性は少なくないみたいです。
せっかくだから健康で美味しい料理を一度で満足して欲しいので」と木本さん。

一食で野菜を豊富に摂取できるメニュー

またメニューは全て各店舗で考案されていて、四条大宮店は木本さんが担当されています。

こだわりと尋ねると、野菜はたくさんの種類を食べて欲しいから、被らないように気を付けています。にんじんを2種の料理で使う際は、ひとつは金時にんじんでもうひとつは五寸にんじんなどできるだけ違うものを選びます。
『本日の素食ごはん定食』だと約30種類の野菜は摂取できるはずですよ」との答えが返ってきました。

一食でそれだけ豊富な種類の野菜が摂取でき、しかも持ち帰りもできるとは、ひとり暮らしや、自炊ができなかったときの家族のご飯にもありがたい存在です。

素材は細部までこだわって選ぶ

素材はもちろん、全て厳選したものを使われています。

野菜や果物は和歌山と京都亀岡市の自社菜園から、また雑草も残したまま手つかずの自然の中で育てた「京十草ビラ」のものを。

自然農法で作られた野菜は、強いもののみが生き残るためエネルギーがすごく強いのだとか。確かに、口に入れると濃厚でかすかに泥臭い野生の味がします。
ほかにも国産ふくゆたか大豆の豆乳、国産米油など身体に優しい素材選びを心がけているそうです。

「本日の素食ごはん定食」(1,200円+税)

「テイクアウトの日替わり弁当」(1,000円+税)

 

ヴィーガンたちが集う隠れ家

「素食カフェ Ren」は住宅街に静かに佇むお店ですが、扉を開けるとそこは「食」への意識の高い人たちの集い場。
かと言って決して敷居の高い雰囲気はなく、それぞれが純粋に食事を楽しみに来ているという感じで、ひとりで食事をしている姿が多いのも印象的。
健康のために、地球環境のために、動物の命のために、また木本さんに会いたい常連の方など、訪れる理由はさまざまです。

自然光が差し込む窓際は特等席

 

無農薬野菜や体に優しい食材も販売

ここでは、自然農法で育てられた野菜や、自然食品も購入できます。
野菜は自然農法ということもあり気候に影響されますが、こちらに並ぶ野菜はどれも力強く生き抜いたものばかり。
しかも100円からという破格値なので、食事のあと購入する人が多いのも納得です。

大根を買うと大根の葉をおまけしてくれるなど、人間味のあるやり取りが楽しい

料理が届くのを待つあいだ、つい買い物してしまいそう

 

最後に

「ヴィーガン」や「完全菜食」には、環境問題、アニマルライツ、宗教など、繊細な問題が関わっていることが少なくありません。
何かを正義や正解とすることで、その対局にあるものを否定してしまいがちに。

ですが木本さんは何度も「押し付けられないけれど、少しずつでも流れが変わっていけば」と、あくまで選択は本人に委ねるという柔軟な物言いが印象に残っています。

彼女曰く、週に一食ヴィーガン食にすることで、「一食分で助かる命があるということを知って欲しい」と。
「特定の人数の人が厳格なビーガンになるよりも、ひとりでも多くの人が一食でもビーガンに変える方が結果的に、より多くの人に広がるはず。ビーガンが食事の選択肢のひとつとして定着していく近道になると思う」

「素食カフェ Ren」が目指すのは、ヴィーガンという選択肢が増えることで、地球にも生き物にも未来にも優しい世界。

実は2020年11月に「イオンモール京都桂川店」の「クレイジーパントリー」にて、お弁当の販売をスタート!イオンモールという大手スーパーより直々に声が掛ったそうで、今のところ(2020年12月現在)毎週木・金・土曜日のみのお試し販売。

「素食カフェRen」が伝えたい、今までヴィーガンというマーケットの外にいた人々に知ってもらう大きなチャンスになりそうです。

難しいこと抜きにしても、純粋に美味しく栄養がたっぷりの食事を一度食べてみて欲しい。
するとその背景にもきっと意識が向き始めると思うのです。

「素食カフェRen 四条大宮店」
■add:京都市中京区壬生坊城町12-7
■access:阪急「大宮」駅・京福電鉄「四条大宮」駅より徒歩4分
■open:11:30〜21:00(LO20:00)
■定休日:日曜
■HP:https://cafe-ren-shijyoomiya.therestaurant.jp/
■Instagram:@vegecafe.ren
『素食カフェRen 和歌山本店』
■add:和歌山県和歌山市園部1670-6
■access:JR西日本阪和線「六十谷駅」より車で約10分
■open:11:00~17:00※夜は前日までの完全予約制(3名以上)
■定休日:月曜
■HP(和歌山本店):https://cafe-ren.therestaurant.jp/
『素⾷カフェRen 堀川商店街店』
■add :京都市上京区桝屋町 1 堀川下長者通り下る
■access :地下鉄烏丸線「丸太町」駅より徒歩15 分
■open :11:00~20:00
■定休⽇:不定休
■HP :https://cafe-ren-horikawa.therestaurant.jp/
『素⾷カフェRen 銀閣寺店』
■add :京都市左京区浄土寺西田町115-15
■access :京阪電鉄「出町柳」駅より徒歩18 分
■open :11:30~21:00
■定休⽇:日曜
■HP: https://cafe-ren-ginkakuji.therestaurant.jp/

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